意外に多くの人が知らない言葉「レンジフード」。レストランの厨房などでは「レンジ」と呼ばれるので、そのフードが「レンジフード」でわかりやすいのですが、このレンジ、一般家庭では「コンロ」と呼ばれることが多いので、何かわかりにくいのです。要するにコンロの上に付いている換気扇とそのカバーのことを「レンジフード」と言うんですね。
その昔はブーツ型というスタンダードなレンジフードとプロペラ型の換気扇の組み合わせが主流でしたが、現在は新しいタイプのレンジフードが登場し、換気能力、静音性などを備えた換気扇も登場しています。
レンジフード、最近の傾向
レンジフードとは換気システム全体を指しているといっても良いでしょう。料理で出る煙や臭いを屋外に排出する役割を果たす換気システム。最近は家の雰囲気などに合わせた、モダンな外観を持つ製品も多く発表されています。また、コンロと連携した機能を持つものもあって、我々消費者にとってもチョイスの幅が増えています。ここでは一般的なレンジフードの形についてご紹介します。
一昔前はもっとも普及していたプロペラ型の換気扇。このプロペラファンは外壁に設置し、ダイレクトに外に向け、煙や油分を排気するシステムです。この排気形式はシンプルで強力、そして値段がリーズナブルなことが大きなメリットですが、天候に左右されるという弱点もあります。
最近主流となっているレンジフードは、直接外に排気するのでは無く、天井や壁の中に設置されているダクトを通して排気するシステムになっています。そのため、キッチン設置場所が建物の中心部にあったとしても、レンジフードを設置することが可能です。
スリム型のレンジフードは、最近ではもっとも普及しているレンジフードでしょう。ラインアップが豊富で、キッチンのスタイルに合わせて選ぶことができます。このタイプのレンジフードには、通常、シロッコファンという、排気、静粛性にバランスのとれた換気扇が多く使用されています。
キッチンによっては、スペースの関係でスリム型のレンジフードが取り付けられないこともあります。そんな場合によく使われるのが浅型レンジフードです。通常、シロッコファン、もしくはターボファンと呼ばれる換気扇が組み合わされます。
ブーツ型のレンジフードは、一昔前はもっとも普及していたレンジフードです。現在、他のタイプに取り替えが進んでいるレンジフードだと思われます。ただ、プロペラファンはこのブーツ型レンジフードに組み合わせるしかチョイスが無いため、プロペラファンを使用している古めの住宅やアパートでは、まだまだ需要があります。シロッコファンも取り付けることが可能です。
シロッコファンは、ハイパワーの細かいブレードが回転することで、煙や臭いを吸引し、屋外に排出する換気扇です。排出能力に優れ、音も静かなことから、最近もっとも一般的な換気扇タイプと言えるでしょう。
吸い込むパワーが強いため、必然的に油分や埃を内部にため込むことが多くなります。したがって、定期的なお手入れは欠かせません。また、部品点数が多いことも、メンテナンス性という点では若干デメリットとなりますが、最近のものはファン部分もシンプルに作られていて、容易に分解できるモデルが多く揃ってきています。
着脱用の押しボタンをプッシュするだけでファンを取り外し、お手入れが簡単にできるモデルも各社から販売されています。
ターボファンは、シロッコファンよりもブレードの数が少なく、分解と手入れがかんたんな換気扇です。設置スペースが限られる場合に利用される浅型レンジフードの多くに取り付けられています。スペースが限られるため、必然的に煙や臭いの吸引能力はシロッコファンに劣ります。
プロペラファンはシンプルで排気パワーも大きいことが特徴の換気扇です。値段もひじょうにリーズナブルですが、外壁に面した場所にしか取り付けることができません。また、レンジフードもブーツ型しか選べません。強風などの悪天候時に排気能力が落ちること、また静音性という点でも弱さがあります。
各社が発表している最新のレンジフードですが、モダンなデザインもさることながら、実用性、メンテナンスのやりやすさと言う面で、以前よりもひじょうに進歩しています。
少し前の型のレンジフードには、汚れを漉すためのフィルターが設置されているものが多くありました。換気扇の掃除は誰もがやりたくない作業だとは思いますが、このフィルターは掃除する必要があり、しつこい油汚れと格闘しなければならないこともありました。
しかし、最近のモデルの多くは、このフィルターさえ無く、自動で清掃してくれる機能を持った換気扇もあります。汚れがつかないように、よく考えられて作られていて、定期的にお手入れさえすれば、長期間、気持ちよく使えるものが増えてきました。
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